not enough

欲しがって ケモノになって

マイフェイバリットシングスの話。

 


※「坂道のアポロン」ネタバレ(もう見てなくて今から見る人とかいないかもだけど一応)

 

 

 

昨日、知念担全盛期の頃に同じようにJUMP担で一緒におたくしていた(もう卒ってる)友達に、めちゃくちゃ久しぶりに会いました。記憶が正しければLiVE with meで会った依頼なので約4年ぶり。ツイッターもインスタも繋がってるから今何してるかくらいは知っていたけど、特別連絡を取り合うわけでもなかったのですが、たまたま私の地元に来ているストーリーを見かけたのでほんの少しだけ会いました。

そこでジャニヲタに戻ったんだよ~なんて話をした時「何がきっかけなの?!」と言われて、自分でもはっきりとしたきっかけはわからずに、「わかんないけど仕事辞めて気持ちに余裕ができてさ~」となんとなく答えておきました。それも確かなんですが、よくよく考えてみれば、このブログの1つめの記事がきっかけだったんだと思います。知念くんが「坂道のアポロン」の主演に決まったというニュース。それを見たとき、書かなきゃ!って思ってこのブログを作成してすぐに記事を書きました。そして偶然にも、昨日はその「坂道のアポロン」を見に行く日でした。

 

 

本当はもっと早く見に行きたかったのに全然タイミングがなくて、気付いたらそろそろ上映が終わる時期になっていて、せっかく前売りも持っているのに知念くんが単独主演の映画をスクリーンで見ないなんて一生後悔する、一生はちょっと盛ったけど絶対後悔すると思ったので、仕事終わりに1人でレイトショーに行ってきました。この時期に、しかも20時からの上映でお客さんは10人もいなかったけど、その中には明らかにオタクではない方とかいて。改めてすごい映画に出てるんだなーって。

ヒット御礼舞台挨拶かな?知念くんと中川大志くんと小松菜奈ちゃんが、監督のお手紙で泣いてしまったというニュースを見ました。知念くんが人前で泣くなんて、少し前では考えられなかった。最近はどうか知らないけど、私が好きだった知念くんは「人前で泣かない」というか「泣けない」というか、そんな人だったから。だから知念くんが人前で泣いてしまったことにびっくりしたし、そんな監督や共演者の方、そんな素敵な作品に出合えていることが嬉しくて、私が泣きそうになりました。それで、余計ちゃんと見に行かなきゃって思ったのかもしれない。

 

 

はじめからわりとずっと泣きそうでした。常に涙腺バカになってる芸人なのは自覚してるんですけど、感動せずにはいられなくて。だって、知念くんがピアノ弾いてるから…いや当たり前なんですけど…私どれだけ知念くん何もできない人だと思ってるのって話なんですけど…いやそうじゃなくて、知念くんってそういうこと一生懸命にしてるイメージがなかったんですよね。知念くんが一生懸命じゃないとかそうじゃなく、例えばメンバーがバンドを始めたときも、そういうことはいつも客観しているというか、僕は当事者じゃないみたいな、そんな雰囲気があって。これまたその態度が悪いとかじゃなくて、知念くんはそういう位置だと思っていたので、いまさら知念くんに「新しくできるようになったこと」が増えていることが、なんか、すごく胸にきて。

いろんなWSでも話していたけど、知念くんは楽譜を読まないで、耳と目でピアノの演奏を覚えたと。ダンスやってるからフリを覚える感じで~なんて言ってたけど、それだけであんなになれるわけがない。生まれてから20年強ピアノに触れていない人が耳コピで弾けるようになったとは思えない演奏で、いくら半年以上練習してても耳と目だけであんなに弾けるようになるなんて、信じられない。だからそこにはきっと計り知れない努力があったはずで。もちろん知念くんは天才ですが(元担贔屓)、それにしたってあんなに楽しそうに弾けるようになるまでになったってものすごいことだと思うんです。だってすっごく楽しそうに弾いてるんだもん。6年くらいピアノやってたけどあんなに楽しく弾けたことない(私はそもそもピアノが嫌いだった)。


薫と千太郎がセッションする場面は何度かありますが、やっぱり学園祭でのセッションが一番かな。直前に喧嘩しちゃってあんなに気まずいことになっていたのに、演奏中のアイコンタクトしている時の2人の表情と言ったらもう、今思い出しただけでもあの時の律子ばりに泣けてくるんですけど、ほんっとに楽しそうで。鍵盤を叩いてる時の薫の表情がすっごく良い。千太郎も、それまでのロックバンドの演奏なんか比じゃないくらい生き生きとしていて。千太郎が言った「言葉なんかいらん、音をぶつけ合えばいい」(ニュアンス)という言葉そのものだと思った。しかも弾いてるのは律子が好きだと言った曲。サウンドオブミュージックの「My favorite things」。この映画に陳腐な言葉は似合わないけど、これが最高にエモいと言わざるを得ない。それに気付いて涙しちゃう律子と、楽しそうに演奏する薫と千太郎。10年経ってやっと薫が教えてくれる薫のフェイバリットシングスが、間違いなくそこにあった。しかもこの場面は生演奏(アテレコじゃない)と聞いて、あーやっぱり知念くん天才!って。あんなに楽しそうな顔、きっと演技じゃないだろうから、本当に楽しんでピアノを演奏できるようになってるんだなあって、感動した。

これがまたジャズってところがいいのかもしれない。あれだけ拍子を無視してアドリブ満載の演奏をするにも関わらず、薫と千太郎は息がぴったりで、アイコンタクトで演奏する感じ。信頼なくしてはできないあの演奏。My favorite thingsからMoanin’に変わる瞬間とか、最高すぎて鳥肌が立った。そして10年以上経って、何も言わずに消えてしまったその友人と唐突に始まるセッションも最高に素敵だった。まさに「一生もん」の友情が2人の間にはちゃんとあるんだなあって。あそこで律子が、当時のお父さんと同じ煽りをするのも最高だったなあ…それで薫と千太郎が(もちろん律子も)あのころに戻った気がして。


全体を通して、『薫が「空気が読めすぎる」演技』をしている知念くんがすごくよかった。千太郎を見つめる律子の横顔を見ているときも、淳兄のバーで先に百合香を見つけたときも、百合香に描いてもらった絵を自慢されつつ律子が来るんじゃないかと気にしているときも、ドラムのスティックを律子からあげた方がいいと言うときも。言わなきゃって思いながらも我慢している顔とか、切なげに笑う顔とか、表情が良かった。知念くんが好きな私ですら知念くんの演技(というかセリフ回し)はそんなに好きではなくて、決して上手いと言えたものではないと思っています。でも、知念くんは瞳のお芝居をする人だと思っているので、西見薫はとっても良かった。原作を読んでないので(知念くんが役に)ハマっているかと聞かれると答えられませんが、少なくともみせコドのりんりんより良いということは間違いないです。みせコド見に行った時予告でアポロンが流れたときからそれは分かってたけども。

一番ぐっときた演技は、律子から受け取った薫と千太郎の名前が書いてある申込用紙を捨てた千太郎を追いかけて殴るシーン。一発目の後の振り返った千太郎の表情(というか大志さんの演技)も最高だったし馬乗りになって拳を振り上げて堪えている葛藤の表情(というか大志さんの演技)も良かったんだけど、千太郎が去ったあと近寄る律子に「来ないでくれ!」と言った後のところ。とっさに手の甲で顔を覆う?顔に当てる?んですけど、それがナチュラルで、グッときました。あー知念くんもこういう演技するようになったのか…って。
それと、終盤で淳兄と百合香が持ってきた写真を見て千太郎に気付いた瞬間の顔。10年も行方の知れなかった友人がそこにいたら、あんな風になるのかな…薫がウッと泣きそうになった瞬間、私もウッとなりました。あのシーンの表情、最高だった。忍びの国に続いて、私はつくづく知念くんの涙に弱い…忍びの国ほど泣かなかったけど。泣きそうになると小鼻がひくひくするのも可愛いよなあ。


こっからはただの元担ヨイショみたいになるんですけど、この映画を見てやっぱ知念くん好きだな~ってなりました。そりゃだてに10年も追っかけてませんわ。改めてこの人すごいなって、こんなすごい人好きだったんだなって思いました。知らない間にものすごい成長してるなって思ったのと同時に、やっぱり知念くんだなって思うところもあって。変わったところと変わらないところ、どっちもがちゃんとすごい。この人には本当に敵いませんね。担降りのときも多分同じようなこと言ったけど、知念くんにはこの先もずっと、誰も敵いません。ずっと私の特別です。

これはどうでもいいし知念担にしかわからないこと(もしかしたら知念担すらどうでもいいこと)かもしれませんが、ラストの教会でのセッションのシーンで、ピアノに座った時の腕まくりをしている薫の右の袖が、二の腕までぎゅーっと捲くられているところに知念くんすぎる知念くん(語彙力5)を感じたんですけど分かってくれる人はがはたしてどれくらいいるんでしょうか…?左利きの知念くんは癖なのか右の袖をめちゃくちゃ上まであげるんですよね。その癖がすごい出ちゃっててそれまで西見薫だったのに一気に知念くんになっちゃってた(私の中で)。ところで今回は知念くん左利きのままだったんですけど、西見薫は左利きなの?*1演技の時はいつも右利き強制されてて、ペンとかお箸を持つ手がぎこちないのがお決まりなのに、今回は左利きのままだったのであれ~って1人でなってました。にしてもレコードを聴きながら音を譜面に起こしてるときの、メモしてる手がめっちゃ可愛いんだよな~~書くときにぎゅんってなってる手首が好き(わかりづらい)。あと生粋の手フェチであり知念くんのおてて大好き芸人の私としては、ピアノ演奏の時絶対に映る知念くんのおててにもいちいちドキドキしたし、序盤の千太郎から屋上のカギを渡されたときのカギon知念くんのおててカットが最高でした。

 

 

それにしても最高だった。知念くんはもちろん、中川大志くんと小松菜奈ちゃんっていう俺得すぎるキャストも最高で眼福でしかなかった。海水浴のシーンなんか最高だった…こまつなちゃんの水着姿めっっっちゃ可愛い。レトロな水着めっっっちゃ似合うのね。ただ薫さんが脱ぐと完全に「知念くん」でちょっと笑った…肩幅が仕事しすぎ…でも知念くんがちっこいから、千太郎との出会いのシーンでは千太郎のガタイの良さ?デカさ?ゴツさ?みたいなのが強調されててよかった。どう見ても大志さんの方が年上に見えた(実際は知念くんの5歳下)。にしても大志さんの佐世保弁なかなかよかったな~。

ストーリーもよかった。「ありきたり」って批評されてたりもしたけど、私にとってはそれが良かった。変なしがらみもなく、シンプルな三角関係(四角であり五画っぽさもあったけど)で。よくある、幼馴染とか転校生とか年上への憧れとか、一方通行だらけの淡い恋とか。友情にヒビ、学園祭でのハプニング、突然の事故、感動の再会。たしかに全部使い古されたシチュエーションだけど、それが逆にシンプルな青春物語って感じがして私は好きでした。はじめて、DVD買おうかなって思った映画でした。これは買っちゃいそう。ボンと千のセッションをもう一度聞きたい。

 


多分そろそろ上映終了になると思うので、もしまだ見ていない方でお時間ある方がいれば、今週のどこかで見に行って欲しい作品です。もっと早くに見に行って皆様にダイマすべきでした…。そのくらい良い映画でした。キラキラの、爽やかな世界でした。

 

 

*1:ちなみにウィキペディアによると千太郎は「字を書く時は左利きだがドラムセットは右利きのものを使用している」らしい