not enough

欲しがって ケモノになって

タイヨウのうたの話。

 

※2018年11月から眠っていたものです。

 

 

 

じょうくん本人の「やったーーー」という言葉が、もうすべてだと思う。
タイヨウのうた大千秋楽、その幕間に読んだじょうくんの日誌。ずっと待っていたじょうくんが自分で語る言葉。そして、大千秋楽のカーテンコールで聞いた「関西ジャニーズジュニアの、なにわ男子というグループに所属しています、藤原丈一郎です」という自己紹介。ああ、やっぱりこれはめでたいことなんだなぁ、と、ずっと目頭が熱かった。


発表があってからめちゃくちゃ考えました。どんなに考えてもらちが明かない。とてつもなく不毛。だけどなんか、なんか心がモヤモヤしていて、だけどそのモヤモヤがなんなのかずっとわからなくて。そんな気持ちのままタイヨウのうたを見て、幕間で日誌を呼んで、カテコの挨拶を聞いて、ああそうだ、って。じょうくんが喜んでいるんだからそれでいいんだ、って。じょうくんが嬉しいことなら私も嬉しいと、素直にそう思いました。言葉にするときれいごとですね。だけどどうやったって私はじょうくんを応援している藤原担で、応援しているじょうくんの嬉しい出来事は一緒になって喜んで、めでたいことは祝いたいんです。死ぬほど悩んでいた結果が死ぬほど単純で、自分って本当にめんどくさいオタクだなあと思います。


なんで私はモヤモヤしていたんでしょうね。って私がわからないのに誰にもわかるわけないんだからこんなとこで聞くんじゃないよって感じなんですけど、わかることなら誰か教えてほしいんですよ、私も。

多分いくつか理由があるんですね。そのひとつとして、「バックの藤原丈一郎が好き」ということがあると思います。まあこれもなに寝ぼけたこと言ってんだ今すぐ担降りしろという声が聞こえてきますしこの贅沢者めと石を投げられている気もしますね。
そりゃあね、私だって自担には前に出てきてほしいし、マイク持ってほしいし、誰の後頭部もない景色を見てほしいし、毎月全部の雑誌に呼ばれてほしいし、個人のグッズ出てほしいし、セリフがもっとほしいし、ポスターに大きく載ってほしいし、コンサートが決まったらお知らせのメールに名前が載っててほしいんですよ。そんなもん当たり前なんですよ。だって自担だもの。

だけど、根本的に、私が好きになったのはバックのじょうくんだったんだなって。何列目にいても同じ熱量で、絶対キラキラしてる、そんなじょうくんが好きになったんだなって。そう思ったんです。
3列目のままでいていいわけじゃないことはわかっているのに、前に出てほしいのに、こうしてひとつの(むしろひとつしかない)グループにいることできっと今までのようなガシガシ踊るじょうくんは見られなくなってしまうんじゃないかと思って、モヤモヤしているのかもしれません。


いや、でも。「何列目にいても同じ熱量」という言葉をそのまま使うのであれば、今まで通りのじょうくんがそこにいるのかもしれませんね。グループとして、「メンバー」と合わせることを意識し始めれば話はまた違うし。何はともあれ、早くパフォーマンスが見てみたいです。早く見たい、って素直に思えてるのもじょうくんの日誌を読んだからなのかもしれません。見ないことには、何も文句は言っちゃいけない。そう思いました。


誰かが言っていました。「どうせ1列目でも3列目」って。
これだけは言っておきたい。そういうことじゃないんだよ。じょうくんが言う「3列目」は、そういうことじゃない。多分。私の予想でしかないけど。少なくとも私の思う「3列目」はそういうことじゃない。説明するのも気が悪いしそんなこと言う人に通じるとは思えない、この概念。というか通じてないからきっとそんなこと言っちゃうんでしょうね。ほっとこ。

 

***

 

タイヨウのうた、大千秋楽お疲れ様でした。東京、大阪と全11公演大きな怪我や事故なく終われて本当によかった。座長の辰巳くん*1をはじめ素敵なキャストさんと素晴らしい舞台にじょうくんが立っていて(リューンのように気難しく考えることなく)純粋に観劇を楽しみました。


じょうくん云々の前にいいですか。
私立恵比寿中学の、柏木ひなたちゃんの歌がすごすぎる。

いや、もう、ずっと言ってた。失礼ながら彼女のことは顔も名前も知らなかったので本当に初めましてだったんですけど、あらためてスタダってすげえなって…逸材かよ…!もちろん歌唱力や演技力を買われてのキャスティングだったと思うんだけど、それにしてもひなたちゃんの歌い方が本当に自分にドストライクでハマってしまって。言葉で全然表現できないのが悔しいんですけど、とにかく好きな歌い方なんです(めっちゃ主観的)。

私の中の雨音薫はYUIなので、もっと優しい歌い方をするイメージでした。けど思っていたより力強くて。それがすごくよかった。特に「夜の虹」がすごく好きな曲調で、サビまですごく優しいのにサビから声にも音にもガッと力が入る感じがすごく好きで、印象的だった。湘南に住んでたら多分毎晩通うと思う、あのストリートライブ。狂った果実のファンと見せかけて雨音薫の歌を毎晩聞きに行っちゃうわ。
調べてみるとひなたちゃん自身も難聴で活動できない時期があったり、昨年メンバーの方が一人亡くなっていたり、難病を患う雨音薫を演じるにあたって本人も「正直苦しいときもあった」と言うように、思うところがあくさんあったんだろうなと。だから、お芝居も歌も、胸を打つものがあったのかなあと思います。大千秋楽のとき、孝治にもう会わない方がいいと伝える場面で、ひなたちゃんは本当に泣いているようにも見えました。その表情が本当に悲痛に歪んでいて、苦しそうで、胸がぎゅーっとなった。まだ19歳だと聞いたので、今後の活躍が楽しみだなあと思いました。ひなたちゃんが歌っている映像をもっと調べてみようかな。


じょうくんはというと、もうそれはそれは普通でした(貶してはいない)。普通でいいんですよ、普通が一番いい。物語にはほとんど関係のない役だったので、本当に気を楽にしてじょうくんの演技を楽しむことができました。
変な意味はないんですけど、なんでじょうくんだったんだろうなって、結構ずっと思ってて。たしか原作にもいない役で、舞台のストーリー上も鍵を握っていたわけでもなくて、いわばにぎやかしのような役で。だけどその「にぎやかし」を全うしているじょうくんはやっぱりキラキラしてました。薫と孝治を隠し撮りするシーンとか、そのあとのバス停とか、本当に楽しそうだった。

あの漫才ってきっとじょうくんが考えてたりするんですよね。嬉しかっただろうなあ、あんなにやらせてもらって。尺こそ短いものの、毎回必ず見せ場としてあのシーンを作ってもらって、最後なんかお客さん役の人のアドリブで2つもさせてもらって。あの切り替えしは松崎さんが本当にすごかった。アドリブに弱いでおなじみのじょうくんに素晴らしい助け舟をくれた松崎さん本当にありがとう。あんな一瞬であんな完璧なてんどん的なボケが思い浮かぶ松崎さんはマジですごい。

漫才のシーンとバス停のシーンを除けばそこまで見せ場はなくて、でもその分ライトの当たっていないところでふざけまくってた狂った果実。最初のライブの後に孝治が薫に怒鳴ってしまうシーンで、結構シリアスなシーンのはずなのにその後ろでずっと狂った果実がふざけてるから、じょうくんを見ている私は笑いが止まらなくて、絶対変な人だと思われていたと思う。私だってあんな真面目なシーンで笑いたくなかった…でもサイレントで一生懸命漫才してるの見て我慢できなかった…。絶対ビートたけしのモノマネしてるていなんだなと思ってたらそのあとDJにビートたけしのモノマネ振られるし笑っちゃうよそんなの…!振られるはずのないじょうくんが振られて、テンパったのかビートたけしなのに「あ、あんぽんたん」って言ったのは共感羞恥が働いてめっちゃ心臓痛かった…そこは「バカヤロウ」でしょ…。


それにしてもじょうくんは本当にアドリブに弱かった。知ってたというか薄々気づいてたけど、今回で確信になりましたね。別にそれが悪いとかじゃなくって、単純に悔しかっただろうなあと思うしそう思うから今後はそこにも力入れていくんだろうなあと思うと楽しみになります。

想像にしかすぎませんが、じょうくんは、オフの部分というか「素」をあんまり見られたくないんじゃないかと思うんです。だからしっかりネタを作りこんで、しっかりとネタ合わせして、完璧な完成品をお届けしたいと思ってくれている気がするんです。だからその場で不完全なものを見せることになるかもしれないアドリブにはめっぽう弱くなってしまうのかな、と。全部想像ですけどね。その点は松崎さんが本当にすごかったな。臨機応変さというか、順応性の高さというか…2つめの漫才を振られたとき、じょうくんはテンパって「湘南やな~」と意味の分からないことを言い出したにもかかわらずごく自然に1つめのネタを引っ張ってきて、そこからどう発展させんのってお客さんもじょうくんも思ってたと思うあの局面で、ちゃんとボケをかました松崎さん。そして2回とも同じツッコミになるボケ。もう天才。めちゃくちゃ拍手した。じょうくんもすごくホッとしただろうな~。

狂った果実は本当にいいコンビでした。カテコの挨拶で「狂った果実の隠れファンでして」なんて言ってくれるキャストの方がちらほらいて*2、辰巳くんも作中のセリフに引っ掛けて「本当にM-1とか、ねえ?」とじょうくんの挨拶の時に振ってくれました。
だけどじょうくんは、「それは、関西ジュニアの方にいるんで」と言いました。これには結構驚きました。何のことかわからない人でも、「ああ、そういうのは関西ジュニアの方でやってるんだな」と思っただろうし、何のことかわかった人たちの頭の中にはきっと同じ2人の顔が思い浮かんだことでしょう。最近3人のネタはほとんど見てないし(龍太くんとは一応したけど)、じょうくん自身の口からもM-1の話はあまり聞いていませんでした。そして、いろいろ騒がしいこのタイミング。それでもじょうくんの中で、相方というのは揺るがないんだなと。あーこの人思いのほかそこにマジなんだなと。芸人名乗ってるだけじゃないんだな、と思いましたね。


内容は突っ込みどころだらけで、受け手のための余白とかそういうレベルじゃない辻褄の合わなさと気になる日本語の使い方が頻発していたんだけど、お話自体はとってもよかった。よかったというか、いい話なのはわかってた。元々YUI塚本高史タイヨウのうたがすごく好きでした。だから薫と孝治だけのことを考えればすごくいい話なんだもん。

孝治が「好きだよ、どんなことがあっても」っていうシーンと、「私いつもはちゃんと歩けるよね?」って縋る薫にうんうんってする孝治には胸が締め付けられました。大筋だけ考えれば、素敵な舞台だったなあと思えるから、細かいことは置いたままにして「素敵な舞台だったなあ」という感想だけ胸に刻んでおこうと思います。

 


次は梅芸かあ。いろーーーんなことを考えてしまうけど、幕が開くまでは文字にするのはよそうと思います。私は2週間後、どんな気持ちで青く光らせたキンブレを振るんだろうなあ。

*1:主人公は雨音薫だと思ってたけどそのひなたちゃんがブログで辰巳くんを「座長」と呼んでいたのでそうなんでしょう

*2:隠れなくていいじゃないと思わないこともなかったんですがそれは置いておいて