not enough

欲しがって ケモノになって

「忍びの国」を見てきました。※ネタバレ有

前回のエントリーの最後に書いたTeleportation5人verについての熱い思いを書き連ねようと思っていたのですが、それよりも先に同じ日に見た「忍びの国」についての感想を残したと思います。
理由は単純、早くしないと内容を忘れるからです!(笑)
ちなみに、がっつりネタバレを含みますのでご注意ください。そして主に知念担の主観だということを念頭に置いてください(笑)

 

知念担はみな、待ちに待った作品だったのではないかと思います。私ももちろんその一人です。
だって、自他共に認める強火大野担である知念くんが、大野さんと共演するんですよ!しかも映画!自担が自担と共演するんです!正直赤飯モノですよね!!!!!私も心の赤飯を炊きました(?)!!!!!

知念くん自身もVS嵐で言ってましたが、これ(共演)を目指してやってきた知念くんの夢が叶ったんですから、私も自分のことのように嬉しかったです。
同じ作品に出ること自体も嬉しかったですが、舞台挨拶や番宣活動を一緒にする機会も必然的にでき、知念くんが大野さんと仕事をする回数が増えるという事実が嬉しかったですね。



思いのほか冒頭の部分から知念くんは登場しました。
いやー、見慣れてはいましたが、やっぱり知念くんはちょんまげが似合うなあ…。背丈はなくとも肩幅があるので和服姿もなかなか様になっていて私は好きです。
最初の場面で私が驚いたのは、知念くんの表情の変え方です。
北畠とのやりとりでは、ニヤッと悪い感じで笑う「しめしめ顔」から、瞬時に驚きと怒りの滲む顔に変わる瞬間。北畠が斬られた後、娘であり政略結婚の相手である凛に刃を向けられると、先ほどまでの威勢が嘘のように子犬みたいな顔で怯えるんだから、やはり信雄はまだ子供であると感じさせられます。
この数分間のやりとりの中で大きな感情の起伏を演じ分け、監督から言われていたという「器の小さい男」を見事に表現していたのではないかと思います。

しかし私がこの場面で一番記憶に残ったのは、北畠が斬られた直後の信雄の表情です。
一応は元の主である北畠を斬ってしまった大膳は、倒れこんできた北畠を腕に抱き、その行動を悔み慟哭します。
その光景を見る信雄の顔は、本当に冷めた表情でした。まさに無表情。なんの感情も見えない、氷のように冷めた表情。
あの瞬間の信雄の心境を、私は想像できませんでした。そのためあの表情を知念くんがどのように考えて作ったのかよくわかりません。
しかしあの場面で見た冷酷とも言えるあの信雄の表情は、映画全編を通しても(信雄の表情として)一番印象的でした。知念くんもあんな顔できるんだ、あんな演技できるんだ、って感動しました。


知念くん云々だけではなく作品自体ももちろんおもしろかったのですが、しかしまさかこの作品で泣かされるとは自分でも思っていませんでした。
もしすでに見られた方が読んでおられたら、どこで泣いたんだよと思うかあるいは終盤のお国と無門のシーンでの大野さんの熱演かなと思うかもしれませんが、違います。
私は、知念くんが泣いているのを見て、泣きました。ストーリーの中での知念くん演じる織田信雄に感情移入したというよりは、知念くんが一生懸命泣きの演技で感情を爆発させているという状況に泣いていたような気がします。

このシーンで信雄は、伊勢谷友介さん演じる日置大膳に胸ぐらをつかまれ詰め寄られます。いつも強情で自分勝手な子供らしい信雄に、大膳は怒りを爆発させ、「ここにいる者たちはお前ではなくお前の父上(織田信長)に就いているのだ」と怒鳴り散らします。
次の瞬間、信雄の顔が急に歪み、瞳には涙が溜まり、まるで今にも泣き出してしまいそうな幼児のような表情になります。その泣きだす瞬間の顔は本当に幼くて、まさに赤ちゃんが泣きだしそうな「ふぇっ…」と声が聞こえてきそうな、今にも崩れてしまいそうな気持ちを表現した顔。
私はこの瞬間に、まさに劇中の信雄のような表情になり、そこから信雄と同じように涙がボロボロと溢れました。

そこから信雄は、織田信長という「越えられない父」を持った辛さを爆発させ泣き叫びます。
その泣き方、叫び方、表情。
そのすべてが、私が今までに見たことない知念くんの姿でした。もはや知念くんの泣き顔自体が私の中では相当レア。というか世間的にもレアではないでしょうか。
普段から感情を表に出しすぎない(もはや何を考えているのか私にはわからないレベル)の知念くんが「越えられない父を持ったことはあるか!」と、自分よりいくつも年上で経験豊富な家臣たちの前で泣きながら大声を出している。若さ故に馬鹿にされながらも軍の先頭に立ち、父が「不可(べからず)」とした伊賀への侵略を進めるか否かの選択を迫られ、家臣たちが自分のことを主として心から認めていないことを感じながらその家臣たちを動かさねばならない立場にいる、その苦悩。
それらの信雄の苦悩が、すべて解き放たれた瞬間を、知念くんは全力で演じていました。
知念くんがあんな演技ができることを初めて知って、またそんな演技の機会を与えてくれたこの監督と作品をありがたく思いました。泣くことを我慢している、でも我慢できないというあの苦しそうな表情。涙を飲み込むような「ウッ」という苦しそうな声。溢れる涙を気にせず感情のままに叫ぶ声。その全部に、私は胸打たれました。
もちろん私が知念くんが好きということで多少贔屓目に見ている部分はありますが、それを抜きにしてもあの場面での知念くんの切ない演技はとても良かったと思います。

信雄の告白を聞いて団結した家臣たちと伊賀に攻め入るのですが、そこからの知念くん、もとい織田信雄は本当に力強い表情をしていました。
さすがにあの童顔と頭の小ささですから、立派な兜をかぶると、端午の節句感は正直否めなかった(笑)
でも前の場面で涙腺が刺激されている私は、知念くんが馬を乗りこなしているだけでなぜか泣けてきて、この場面に関してはさすがに何に泣いてるんだろう自分はと我に返りました。

信雄が先頭に立つ隊が窮地に追い込まれると、家臣の一人に先に逃げろと言われ、別の道に一人馬を走らせます。
あのシーンはどうやら知念くん本人が馬に乗っていたらしく、背中しか映っていないがものすごい表情をしていたのだと、どこかのインタビューで答えていました。
一人草原へと出てきた信雄は、もう先ほどまでの子供ではありません。「逃げてたまるか」と馬をUターンさせます。
このシーンも結構涙腺を刺激されました。ここでは、知念くんというよりは純粋に信雄の心の成長に感動しました。

その後再び無門の襲撃で落馬しつつも、間一髪のところで大膳に救われます。
ここからの無門と大膳の勝負がとても緊迫していて、まさに息を飲む戦いでした。
無門の短刀が大膳の両掌を貫いていて、見ているこっちが痛くなるような場面。それでも主である信雄を守るために懸命に戦う大膳は、もう冒頭のように信雄のことを軽視してなどいない。この主のために命を張るのだという心が見えた瞬間でした。
そして、両手の使えなくなった大膳にとどめを刺そうと無門が飛びかかった瞬間、「伏せろ大膳!」と背後から聞こえる主・信雄の声。大膳が身を屈めると、背後には大膳の武器である大きな弓を構えた信雄。信雄の放った矢は大膳の兜に生えた角の間を抜け、見事無門に命中し吹き飛ばすことに成功します(正しくは命中していませんが)。
あの時信雄の声に振り返らず瞬時に身を屈めた大膳の様子は、冒頭から信雄に従わない姿勢を見せていた姿とは正反対のものでした。仕掛けられた罠に気付き、信雄の本心の吐露に心を動かされ、大膳がようやく信雄を君主として信じ始めているような気がして、なんだかジーンときてしまった場面でした。
そんな感動的な場面ですら知念くん可愛いフィルターが常備の私。
大膳の武器であるバカでかい弓を構える知念くんの可愛さったら、もう…!!!
伊勢谷さんが馬に乗りながら巨大な弓を器用に駆使する姿はそれはそれは様になっていて、本当に将軍そのもの(作中では多分将軍ではありませんが)。しかし弓は知念くんの1.5倍ほどはあったように記憶しており、(もはや私の目には端午の節句に写真館で撮るような姿として映っている)推定160センチの知念くんがそれを持つと、ただの可愛いの2乗。愛でるしかない。
もちろん矢を放つ瞬間の知念くんの表情はちゃんと凛々しい男の顔なんだけど、やはり知念侑李という男は空前絶後の可愛いに愛された男ですよね、どうしても可愛い。
あくまで私のフィルターが偏ったものであるせいはおおいにありますが。

ほとんど書いていませんが、ご存じのとおりあくまでこの映画の主演は、知念くんの敬愛する大野智です。
最強の忍び・無門としての大野さんの身のこなしは本当に素晴らしいし、インタビューではたびたび「そのままでいいと言われた」と大野さん自身が言っていたのがすごく納得いきました。だって大野さんなんですもん、ほとんど。やる気のなさが顔や態度に出るところとか(大野担に殺されそう…)、戦う時に表情が変わるところとか。本当の性格云々はわからないとはいえ、大野さんが特別作りこんでやっているわけじゃないんだなあと、見ていて感じました。
しかしやはり大野さんもプロです。先述した大膳とのシーンで何人もの武士たちをひょうきんな動きと表情で切り抜けたり、VSで「撮影に3日間を要した」と言っていた最後の平兵衛との一騎打ちシーンの緊迫した表情だったりは、いつもステージ上で見せてくれるかっこいい大野さんでした。
その緩急の差が大野さんの魅力ですよね。知念くんもそういうところが好きなんだと思います。ぜひ見習ってほしいと思います。



つまるところ知念くんはバーターでしかないのですが、知念担にとっては(みんなではないにせよ少なくとも私という比較的過保護な知念担にとっては)知念くんかわいいかわいい~~~な映画になっております。
悲しいかな知念くんが好きな人も大野さんが好きな人も近くにおらず、この映画見たよっていう友達が少なすぎる故に、誰ともこの感動を語り合えないのがはがゆいです…。



今日は待ちに待った未満都市LOVELOVE愛してるの日ですね!!!早く仕事終われ!!!